活用度120%の一枚を手に入れる着物のあつらえ超★入門編
このブログは
『自分で着物が着られるし、着ていくところもある。
今までは手元にある着物を着ていたけど
一枚自分の着物を作ってみてもいいかも・・・
でも、
初めてだし、大きい買い物だし、
失敗したくない・・・
何に気をつけて着物を作ればいいのかな?』
という方に向けて書きますね!
自分の着物がほしい! その前に・・・
自分で着物が着られるようになると
『お母さん・おばあちゃんから譲られたものではなく
自分のサイズで、
自分の好きなものが一枚ほしいなぁ・・・』
というお話をよく伺います。
『じゃあ、お店で見せてもらおう』
と、そのウキウキした
はやるお気持ちは十分にわかります(笑)
しかーし!
後悔なく充実したお買い物をするために
やっておくといいことがいいことがあります!
着物販売歴15年
着物を売るも買うもベテラン★
きもの本質家であり、
老舗呉服店若女将の
ワタクシがコツを伝授いたします!
後悔しないためのお買いものには下準備が大切
同じぐらいのお金を使うでも
『ブランド品を買う』ことと
『着物を買う』ことって違う・・・
一気にハードル上がりますー!
と よくお声をいただきます。
その理由は主に
- 着物は用途によって種類がさまざま
- 洋服よりTPOが厳格
- お洋服では見慣れない色や柄
- 仕立てなど
注文に関して付随してくることがわかりづらい
などがあげられます。
後悔がなく充実したお買いものをするためには
下準備が大切。
まずは
自分自身の情報を整理しておくと
スムーズです。
これをしておくと
自分に必要なものを事前に理解できるので
自分の目的から外れるものを薦められたとしても
しっかり断ることができます。
(↑とても大切なことです^-^ )
自分自身の情報の整理とは・・・
では
『自分自身の情報の整理』って
具体的にはどういうことなのでしょうか?
次の5点を書き出してみると
いまの自分に必要な着物がどういうものなのか?
そのイメージが見えてきますよ!
【1】 もしも・・・
手持ちの着物や帯があればリストアップ
お母さん、おばあちゃんが着物を持っている!
ということであれば、
借りられる範囲のなかで
自分が着てみたいと思う着物や帯が
- どんなものが
- どれぐらい
あるのか整理しておきましょう。
可能であれば
その着物や帯を持ってお店の方に相談することも
内容の濃い上手なお買い物につながります。
ご自宅に着物のタンスがある方はぜひ
お母さん、おばあちゃんと一緒にタンスを開けてみてください。
着物にまつわる意外な?エピソードも聞けて
これは着物を譲ってもらう
醍醐味・ごちそうでもあると思います(笑)
ファミリーヒストリーがあるものは
愛着にもつながります!
ただ、
どれもピンとこない・・・
自分のイメージと合わない・・・
ということでであれば
無理に使う必要はないです。
なぜなら、
『せっかくあるのにもったいない』と思い
手持ちのものを無理矢理に着ようとすると
自分が着たいイメージからは
遠ざかってしまいます。
『好きじゃないな』と思う着物や帯に合わせて
新しいものを誂える必要はないですよね。
『この着物は好きじゃない・・・』と思う気持ちがあれば
そのまま素直に認めて、ひとまず横においておきましょう!
たとえ、
いまは好きじゃなくても
着物を着て何年かするとその良さがわかってくる可能性も大
まずは、
着ることがイヤじゃなければOK!
ぐらいの感覚でリストアップすることがポイントです。
【2】着物を着る用途と着ていく場所リストアップ
まずは着物を着て
- どこで
- 何をするか
この2点が大切ですね
というのも、
着物は着る目的や用途が
洋服より厳格に決まっている場合があります。
目的や用途・場所によっては
せっかく誂えた着物なのに着る機会が年に数回しかない・・・
という悲劇が・・・
まずは着ていきたい場所や目的を
箇条書きでリストアップしてみることをオススメします
- お稽古している茶道のお稽古やお茶会に着ていく
- お友達との食事会 @割烹・フレンチ・おばんざい・カフェ
- 美術館でアート鑑賞 日本画・浮世絵・西洋画・現代アート
- 歌舞伎など和物の観劇
- ミュージカルやタカラヅカなど洋物の観劇
- 結婚式のおよばれ @ホテル、レストラン、神社
- 仕事でのプレゼン・商談 @ホテルラウンジ、会議室
- 旅行 @温泉、リゾート
- 同窓会
などなど・・・
箇条書きにしてみたら
『どの目的で着ることが一番多いのか?』
を自分でまとめておきます。
まず一枚!と考えるなら
着る機会が多い着物を誂えたほうが
絶対楽しめます!
実際に書き出してみると
用途や目的の傾向がはっきりしてきますね!
【3】色や柄、印象についてのイメージを
リストアップ
着物の色は洋服の色とは色彩が違い、
模様も見慣れないものが多いと思います。
わかる範囲で整理したりリストアップしたりしてみましょう!
① 色についてイメージしてみる
着物の色は洋服の色とは色彩感覚が違いますが
イメージできる範囲で考えてみましょう!
- 好きな色
- 着てみたい色
- 苦手・避けたい色
② 柄についてのイメージしてみる
模様も見慣れないものも多いですが、
こちらもわかる範囲で考えてみてください。
- 好きな柄
- 着てみたい柄
- 避けたい柄
着物で代表的な柄は
- 花鳥風月・・・花、自然の美しい風景など
- 道具もの・・・貝桶、扇面、文箱など
- 抽象文様・・・波、七宝、亀甲、菱など
- ぼかし(グラデーション)・・・柄ではなく色の変化のみ
- 無地・・・色のみ。柄はない
- 縞・・・しましま
- 横段・・・一定の間隔で横向き
- 市松・・・二色の正方形・長方形を交互にした模様
- モダン ・・・ドットやトランプなど洋服のエッセンスのある柄
③ 印象についてイメージしてみる
印象のイメージは言葉で表現できるものがあれば考えてみましょう!
- 若々しい
- 優しい
- 洗練された
- 自然体
- すっきり
- 個性的
- キュート
- シック
- 華やか
- 古典的
などなど
また、
『こんな風に着たいな!』と思う
女優さんやタレントさんの写真があれば
さらにイメージが広がりますね。
【4】大切なのは将来にも思いをはせてみること
可能であれば、
いまの自分の好みや着てみたいイメージとともに
「5年・10年・20年後の将来、
自分はどんな風になっていたいのか?」
イメージできたらしておくことをオススメします!
なぜならば
着物は手入れがよければ30年ぐらい普通に着られます。
買うときに将来の自分をイメージして
愛着を持って大切に着続けることができたら・・・
その着物が
「5年後・10年後・20年後の理想の自分」
にナビゲートしてくれますよ!
なんだか 考えるだけでもワクワクしますよね。
【5】 予算を考える
着物は
- 種類
- 着物を作る工程(染織に手作業か機械を使っているか)
- 地域やお店
によってお値段がそれぞれです。
事前に ある程度の予算を考えておいたほうが、
欲しいものを自分のものにできるチャンスが増えます。
その際に気をつけないといけないことがあります。
着物は反物を選んで
注文の寸法に仕立てること
=誂え(あつらえ)
がほとんどです。
そのため、
着物の代金
プラス
仕立代が必要となります。
仕立代を含んでいくらぐらいまでを予算とするのか?
ザックリでいいので考えてみましょう。
ちなみに着物のフォーマル度が上がれば上がるほど
仕立代は高くなるのが一般的です。
いかがでしたか?
やってみたら
何の場面でどんな目的のために、どのような雰囲気の着物を着るのか?
だんだん見えてきたのではないでしょうか?
ただ漠然とお店に行くより
ご自身が『着物をこんな風に着たい』
というイメージを持っていたり、
『自分が着物を着ることで何を得たいのか?』
ということを事前に整理しておくと
お店の方にも要望を伝えやすいです。
また、プロの視点から見ても
着物をより活用してもらえるような提案が増えます。
一番避けたいのは
『一目惚れで衝動買いしちゃった』
とか
『お店の人に薦められたまま着物を作ったけど
自分の用途にあっていなくて、
結局 タンスの肥やしになっている・・・』
など
自分のイメージと誂えた着物のミスマッチ。
せっかくの着物もお金も台無しという悲しい結末です。
それを防ぐためにも自分を見つめ直すことは大切なプロセスです。
着物選びは楽しいものです。
お店での時間を充実させ、実のあるお買いものをするために
ご自身の情報を少し整理整頓してみてくださいね!