ゆかたの起源から考える“ゆかたのドレスコード”

お盆も終わり

お祭りや花火大会が最終段階に突入☆

夏祭り・花火大会といえば
ゆかた

雪花絞のゆかた

きものまでは着なくても、
ゆかたなら着る!ゆかたなら着たい!
というお声もよく聞きます。

 

でも
“ゆかた”って一体どういうもの
なんでしょう?

  • ゆかたってどういうものを指すの?
  • 食事会もOKかな?
  • 季節としてはいつまで着られるの?
  • お祭りや花火大会以外でも着れるのかな?
    などなど

 

身近であるがゆえに着ていく時期や場所を
『これっていいのかな?』
と躊躇することもあると思います。

 

そこで今回は
21世紀的きものの基礎知識

ゆかた編をお届けします!

 

ゆかたのドレスコード

さて、
『ゆかたはきものだから』と言って、

どこへでも着ていけるかというと・・・

残念 (T-T)

 

なぜならば、

ゆかたは和装のドレスコードの中では
最もカジュアルなものになります。

 

お洋服でいうと、
デニムにTシャツといった感覚です。

 

なので、
正装が必要とされる場所は
完全NG

 

また、
・オペラやクラッシックのコンサート
・高級なレストランや料亭
・ホテルのラウンジやレストラン  など
デニムがNGとされる場所には
ゆかたもNGと考えてください。

 

ただし!
食事会や同窓会などは
ゆかたを小紋風に着ればOKになります。

 

小紋風に着るというのは

 

①長襦袢を着る
(半衿があることが大事)

夏きものの襟元から除く白い半衿

 

②足袋を履く(素足ではない)

白い足袋に白木の下駄。赤いツボ

 

③帯は名古屋帯でお太鼓結び

奥州木綿に水浅葱色の博多帯でお太鼓結び

ということが条件になります。

 

というもの
これら3つの条件をクリアすると
フォーマル度が上がるのです。

 

いわゆる
《格が上がる》というやつです。

 

ただし、
これはある程度きものの装いの知識を持った方向き

 

いわゆる中〜上級者向きなので、

初心者の方に実践的かというと正直???

と思います。

 

着物を着ることに慣れてくると

着ていく場所や目的がある程度絞られてきます。

 

ゆかたを注文する段階で

ゆかた兼夏の小紋として着ることを前提に

  • 素材
  • 生地
  • 柄 

 

を選ぶと一枚のゆかたでも幅広く活用できますね。

 

そもそも ゆかたって・・

ゆかたの起源は古く平安時代。
貴族のみなさまは蒸し風呂に入る習慣がありました。

 

そのときに
水蒸気で火傷しないように来ていたのが
湯帷子(ゆかたびら)

湯帷子を着た婦人の浮世絵

 

そう、
《ゆかたびら》から《ゆかた》と
なりました。

 

感覚としては いまでいう バスローブに
近いものだったようです。

 

ちなみに 《帷子(かたびら)》とは
麻の着物を指します。

 

当時、綿は高級品とされたので

下着に近い着物は麻で作られていました。

 

綿で湯帷子を作れるようになったのは江戸時代。

綿の生産量が増えたことと、庶民が銭湯に行くようになり
湯あがりに綿の湯帷子を着ることが広まったのです。

 

そして現在では、
ゆかたは湯上り着・寝巻きから夏に着る

カジュアルな着物のひとつ
としてすっかり定着しました。

 

ゆかたを着る季節はいつ?

もともとゆかたは

“盛夏“といわれる時期

着るものです。

 

“盛夏”とは 7月8月のこと

 

きものでいうと 完全な夏もの
透け感のある織り方や麻のきものを着る時期です。

 

なので ゆかたは
7月8月にきるのが基本です。

 

しかし、
これは厳密に決まっているわけではなくて
5月や6月でも
夏を感じさせるようなお祭りなら
ゆかたを着てもOKという雰囲気があります。

 

いい例は、
5月中頃に浅草でとりおこなわれる有名な
《三社祭》

浅草 三社祭でたくさんの人に担がれる立派なお神輿

東京では三社祭からゆかたを着てもOKと
いわれているようですね。
地域によってもかなり差があります。

 

逆に
9月に入ってからのゆかたは難しい場面が多いです。

 

というのも和装のおしゃれは
季節の先取りが《粋》
逆に
後追いは《野暮》
という感覚があります。

 

ただ
気候が年々と変化し、9月でも残暑が厳しく
夏日のような気候になりました。

 

最後の花火大会だし、

ゆかたでも着ていきたいと思うこともあると思います。

 

しかし
これはお洋服で例えると・・・

 

秋の足音がするのに
キャミソールやタンクトップのワンピース
を着ているようなもの。

 

想像してみると
さすがに夏の要素が強すぎますよね(笑)

 

ただ、
どうしても!というときは

涼感を誘うような色や図案は避けること

をオススメします。

 

できたら、

カーキやベージュなどの中間色に
桔梗や秋草のような図案なら
落ち着いた雰囲気でgood!

 

白やキレイなブルーの地色に
金魚やアジサイの柄は
夏に向かって着るのは涼感があり素敵ですが、

 

虫の音が聞こえる9月に

秋では爽やかすぎて色調と季節がミスマッチですね。

 

いかがでしたか?

起源やドレスコードを考えると
やはり ゆかたが気楽に楽しめるのは
お祭りや花火大会・盆踊りが中心ですね。

 

ちょっとおしゃれな居酒屋さんでの女子会や
デートでカフェや映画に
ゆかたを着ていくのはステキだと思います。

 

あと、
『暑かったけど
プロ野球やサッカー観戦に着て行ったよ!』
というお客さまもいらっしゃいました^ – ^

 

ゆかたは気軽に楽しんでいただけるのですが
カジュアルなものだと覚えておいていただくと
着ていくシーンのイメージがしやすいと思います。

 

私は日々 和装に触れていて
日本人は季節感に敏感で、
出向く場所や目的に
調和することを
とても大切に考えてきたのだなと感じます。

 

“絶対”がない場合もあり
理解していただくのは難しい部分も多いのですが、

 

季節感や格に対する考え方、
着こなしのコツなどを今後もお伝えしていきたいと思います。

 

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