6月1日は衣替え! 3分でわかる衣替えの基礎知識
きものを着るときに 季節やTPOによって
守ったほうが良い約束や決まりがあるって聞いたことがあると思います。
その一つが衣替え。
6月1日がちょうど節目になります。
聞き馴染みのある言葉ですが、
そもそも“衣替え”ってどういうことなんでしょうか?
この記事では
着物に関する“衣替え”についてお伝えしますね。
そもそも衣替えって…
衣替えとは字のごとく“衣”を“替える”習慣のことです。
夏用から冬用、
もしくは
冬用から夏用に切り替えること
をいいます。
身近で思い浮かぶのは学生時代の制服ですね。
6月1日を境目に夏服へと
10月1日を境目に冬服へと
制服の切り替わりだったことを覚えていらっしゃると思います。
この慣わし、
古くは平安時代の宮中行事・更衣(こうい)に由来があります。
更衣とは、
もともと天皇の着替えの役目を持つ女官の職名のことをいいました。
鎌倉時代になると 衣装だけでなく調度品・・・
いまで言うインテリアも夏用・冬用に切り替えるようになります。
いまでも京町屋ではこの習慣が続いています。
↑京町家“藤井絞” 夏のしつらえ
きものと洋服の衣替えの違い
さて、
衣替えできものと洋服と決定的に違うことがひとつあります。
それは
裏地がついているかどうか?です。
洋服では冬物でも裏地がないものがありますね。
一方着物では
6月から9月の気温の高い時期に
着るものには裏地はつけません。
着物では
“裏地をつけるのか?つけないのか?”
仕立て方でを着る時期によって区別しています。
裏地のない単衣と薄物
裏地がつかないものを
単衣(ひとえ)
もしくは
薄物(うすもの)といいます。
これは6月から9月まで着ることが基本です。
実際にきものを裏返しにしてみると・・・
単衣と薄物は一枚の布地の縁を裏側へ折りこむので
額縁のように縁(へり)ができます。
↓アップにすると 縁がみえると思います
裏地がつくものは袷
一方、
裏地がつくものは袷(あわせ)といいます。
これは10月から翌年5月まで着ることが基本です。
袷の着物を裏返しにしてみると・・・
袷は二枚の布地をあわせて仕立てをします。
ぬいしろなどは 生地と生地のあいだに入るので表から全く見えないように縫います。
『このきものはいつ着るの?』と思ったら一度裏返して
裏地があるかどうか・・・
をみてみると判断できると思います。
裏地をつけないきものは2種類
6月から9月は裏地のないきものを着るのですが・・・
その期間の中でも
6月・9月は単衣(ひとえ)
7月・8月は薄物(うすもの)
と4ヶ月の中で着るものを変えます。
単衣と薄物の違いは、
生地に透け感があるかないか?
盛夏である7月8月のきものは 透け感があり、
暑い夏の最中でも涼しく見せるもの
一方、単衣のきものは袷と薄物の中間をとって
裏地がなくても透けないもの
ということが目安になります。
まとめ
いかがでしたか?
衣替えの基本的な考え方をお伝えしました。
ただ、衣替えは6月1日というのはあくまでも目安です。
洋の東西を問わず装いの世界では、
季節の先取りは《粋》
出遅れは《野暮》といわれます。
が、
単衣・薄物を着る時期については
気温の上昇が激しいここ数年さまざま考え方があります。
きものの衣替えについては時代や気候に合わせて
見直しが必要な部分があると思います。
こちらも参考になさってください^^
単衣のスタートはホントに6月!?
https://kimono-essential.com/?p=121